- TAKOYAKI Missile

TAKOYAKI Missile

「TAKOYAKI Missile」

たこやきミサイルがプールに衝突してしまった
これではたこやきミサイルに内蔵されているマヨネーズEngageが飽和してプールを厚焼卵に変えてしまうとプール博士は言った
クルックルックルックルッ

プールが回転してしまった!

プールは回転をやめなかった。

しかもただ回っているだけではない...
「TAKOYAKI Missile」

たこやきミサイルがプールに衝突してしまった
これではたこやきミサイルに内蔵されているマヨネーズEngageが飽和してプールを厚焼卵に変えてしまうとプール博士は言った
クルックルックルックルッ

プールが回転してしまった!

プールは回転をやめなかった。

しかもただ回っているだけではない。
水面に浮かんでいたビート板たちが、

次々と「私はもともと寿司下駄だった」と言い張りはじめ、監視員の笛はピィーではなく「だし巻き」と鳴った。

プール博士は白衣のポケットから巨大な計量スプーンを取り出した。

「まずい……回転速度が毎秒たこ焼き三舟を超えている。このままでは、マヨネーズEngageが第七香味臨界点に達する!」

その瞬間、プールの中央から泡がぼこぼこと立ちのぼり、泡のひとつひとつが小さな口を開いて合唱した。

「ソースは後乗せ!
青のりは概念!
紅しょうがは時空のしおり!」

クルックルックルックルッ。

回転するプールはついに地面から浮き上がり、巨大な厚焼卵型の円盤となって、体育館の屋根をやさしく突き破った。

中から現れたのは、伝説の給食委員長「ミスター・おかわり」である。

彼は銀色のおたまを掲げ、こう叫んだ。
「誰だ! プールをお弁当箱の右上に配置した者は!」

誰も答えなかった。
なぜなら、その場にいた全員の口の中が、なぜかすでに昼休みだったからだ。

プール博士は震える声で言った。

「まだ間に合う。たこやきミサイルの中枢にある“つまようじコア”を逆回転させれば、厚焼卵化は止まるはずだ」
しかし、たこやきミサイルはもう自我を持っていた。
「いやや」

と、ミサイルは言った。
「わい、もう宇宙行きたいねん」

次の瞬間、たこやきミサイルはプールの回転に合わせて踊りだした。

くるくる回るプール。
ふわふわ浮かぶ厚焼卵。
泣きながら拍手するビート板。
そして空から降ってくる、なぜか温かいごはん。
給食委員長は静かにうなずいた。
「完成してしまったな……」
「何がですか!」とプール博士。
「全校規模の、親子丼だ」
その言葉と同時に、校庭のチャイムが鳴った。
キーンコーンカーンコーン。

いや、違う。
キーンコンソメーンコーン。

放送室から校長先生の声が響く。

「生徒のみなさん、落ち着いてください。現在、三年二組のプールが卵料理として離陸しています。廊下を走らず、各自マイ箸を持って避難してください」
だが、そのときだった。
空の向こうから、さらに巨大な影が近づいてきた。

たこやきミサイル二号機。
別名、お好み焼きサテライト。

プール博士は絶望の表情でつぶやいた。
「終わりだ……あれには、かつおぶしAutoが搭載されている」

お好み焼きサテライトの表面で、無数のかつおぶしが踊りはじめた。
それは風ではない。

意志だ。
かつおぶしは一斉にプールへ向かって叫んだ。
「我々は踊っているのではない!

世界のほうが揺れているのだ!」

クルックルックルックルッ。

プールはさらに回転した。
厚焼卵はさらに分厚くなった。

マヨネーズEngageは、ついに虹色に発光した。
そして、プール博士は静かにノートを閉じた。

「今日の実験結果。
プールにたこやきミサイルをぶつけると、だいたい文化祭になる」

その瞬間、全員が妙に納得した。
そしてどこからともなく屋台が並びはじめた。
看板にはこう書かれていた。

回転プール焼き
一皿八百円
厚焼卵トッピング無料
クルックルックルックルッ。

プールはまだ、回っている。

灰に×りおん

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