
何回だって描き出そうか本当に消えてしまう前にこの詞(ことば)の意味を糺す(ただす)為に

青い鳥ならば食べてしまったお腹の虫が 五月蠅かったから最後の仔細(しさい)は知らないまんま警告音(ビープ音)だけ、鳴り響いていた白い呼気が咽喉(のど)を攫(つか)んだならじんわり頬に熱が燈った(ともった)のだ霧に罹った(かかった)頭葉から透かした岑々(しんしん)たるは彼辺此辺(あべこべ)の所為か勉強家じゃなくて 低徊家(ていかいか)なら望蜀(ぼうしょく)に託けて己惚れ(うぬぼれ)と嘆け額(がく)から垂れた深紅の洋墨(インク)では心裡(しんり)の霏霏(ひひ)なぞ描けはしまい床の軋みが夜気(やき)を揺らしたら目蓋(まぶた)の重さが気になり始めた詮(せん)なき日々でも 疲れはします戦う姿勢ぐらい褒めて欲しい無数の風花が 灰色の窓を覆う

何回だって描き出そうか本当に枯れてしまう前にこの硯(すずり)の罅(ひび)に気付く裡(うち)に難解だって 弾き出そうか実際が冴えわたるまでにこの愁(うれい)の意味を悟る為に

夢であるから理性なんてもの所在を訪ねれば お釈迦だって目覚めた後に何も無くなって無常観に浸ってしまうが性(さが)ね皸(あかぎれ)が走る蒼白たる皮膚でさえ今の僕には相応しさも感じる渇いた吻端(ふんたん)、ざらつき舐めて血の味を覚えて、独りで哭く何回だってやり直そう…

何回だって描き出そうか現実が解らなくなる前にこの躰を保ち続ける為に冥々だって 目を瞑ろうか幻想が解けてしまう前にこの想いを春へ託す為に
