ファーストノート / 鏡音リン

first note / kagamine rin

12作目です。失った側の哲学

■music, word, movie : 才能
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■bass : ぼんこ
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■illust : 16


ファーストノート

残されたこの身体は、奇食を好んだ私への贖罪となった
重なったはずの心は、月蝕のように夜に消えた

擬色で飽和してる都市を駆ける
幾何学を空に描いて落ちる
死が救済だなんてことも不確かな儘

私は唯、あなたが居た都会を愛したんだ
守りたかった心は重力場に下がった
摩天楼から叫んだって喧騒に呑まれていった
あなたは只、今の今迄、今際の際まで私を愛してくれたんだ


据え膳で飽和してる路地を抜ける
逆様に映る夜景のビル
私は今も息をしてる
哲学を抱え手牌を捨てる
一人生きる都市を駆ける
幾何学を空に描いて落ちる
死が救済だなんて所詮、生きてる奴が残した言葉さ


変わらない気持ちに偽善を刺して
それなりの幸せで生きくのでしょうか
変わりゆく街で私は
不相変、あなたを愛し続けるのでしょうか


私は唯、あなたが居た都会を愛したんだ
守れなかった身体は偶像に成り下がった
残された心臓は孤独を脈打つけど
あなたが見た走馬灯に居られたのならそれで良かった

いつかまた、逢える日があれば伝えることがあって
「私はあなたと同じように優しい人になれた」って
摩天楼から叫ぶことにも意味があると思った
あなたは只、今の今まで、今際の際まで私を愛してくれたんだ